青島 1999.4.16〜4.19

美しい海岸線、近代的ビル群・・・。しかし、いまひとつ物足りない。他の都市に比べ印象が淡白なのだ。それは何故か。

ビールの看板

青島は山東省にあり、市内約230万人、周辺を含むと約700万の大都市である。ホテルはおとぎの国の建物のような海景花園大酒店。街は整備され、いつものように大型ビルの建設ラッシュ。海岸線も素晴らしい。しかし、淡白な青島旅行だった。何かが足りない。やはり、旅行にも出会いとドラマがなくてはならない。
 
海景花園大酒店
Memoramdom
 
福岡空港のデューティフリーショップで中国人のスチュワーデスたちが資生堂のコーナーを熱い視線で見つめていました。国内でも売っているのでしょうが、やはり高値の花?中国の百貨店の化粧品コーナーのマヌカンはОLの2倍の給料とのこと。
 
青島旅行は濃霧と桃のピンクで始まりました。黄海の水分が4月の温かい空気で蒸発し、昼間なのに太陽がぼんやりとしか見えません。北京や上海に比べ、見学すべき名所旧跡は余りありません。近代的都市で貧しさもあまり感じられません。あちこちで道路を掘り起こし、電話線を引いています。海岸線は本当に素晴らしく、政府高官が避暑に訪れるというのは納得です。曇天の中、近代的な人民政府庁舎がありました。中国最大の電機メーカー海尓(ハイアール)や青島ビールの本社工場も見えました。
 
人民政府庁舎 市内の花
 労山(正しくは山偏に草冠の労)という観光地全体が岩山というところに行きました。行楽者たちでにぎわっています。突然、近くを歩いていた夫らしき男が奥さんを蹴り上げ、一緒にいた娘は泣き出し、老婆はオロオロ。暴力が離婚の原因というのは世界共通のようです。この山から取れるミネラルウォーターは名産品とのこと。
 
労山
 4年前にできたジャスコは盛況で、青島ビールは一缶6元、90円。元祖回転寿司もテナントで入っています。マクドナルドのクルーのお姉さんが店の前で子供たちと一緒に「ちびまるこちゃん」の曲に合わせて踊っているのは、微笑ましい光景でした。軍人や水兵がいました。軍港が近くにあるようです。
 
 街には以前よく見かけた政治的スローガンを書いた看板は消え、「不孕(はらまず)」という文字が目立ちます。一人っ子政策の一環でしょう。公園はどこも、若い夫婦と一人の子供。祖父母が一緒の場合も見かけます。わがままな小皇帝が成人したときの中国が心配です。
 
 電柱に人探しのための履歴書のコピーが貼ってありました。いなくなった犬や猫を探しています、と日本ではよく見かけるのですが・・・。
 
 
 新しくできた国営の新華書店は日本の大型店と同じく立派でした。しかし、日本語コーナーは英語コーナーの面積に比べて狭く、中国の人たちのアメリカ志向・英語志向を感じます。
 
 高級ホテルは、日本のホテルに劣らないほどホスピタリティにあふれています(今回は案内してくれた人の会社が契約しているとのことで50%近い値引き)。
 
 なぜ中国の公衆トイレは有料なのでしょう。管理費という名目のようですが・・・。
 
 行きの機内で服装関係の仕事をしているという年配の男性と席が隣り合わせでした。三千万の投資をしたミシンを騙し取られた、競合させることで力関係が逆転でき、なんとか利益が出せるようになった、少しでも目を離すと好き勝手にするので現地に安い金で部屋を借りている。日本に3日前に戻ったばかりなのに、また来なければならない。パスポートを見せてもらうとスタンプだらけ・・・。中国進出ブームに乗った日本企業の撤退を象徴する話でした。
 
 帰りの空港の税関。不安そうな五十代のサラリーマン。声をかけました。彼の話によると、「父親が前日亡くなったため、急遽帰国することになった。来るときは周囲が世話をしてくれたので問題はなかった。四ヶ月程度の中国生活では言葉はまだ理解できない。帰国カードの書き方が分からない、手続きがわからない」ということで教えるとほっとした様子。
 
 案内された市内の海鮮料理の店は、大連の時と比べていまひとつでした。やはりホテルの中のレストランの方が優れた厨師がいるようです。
 
行程
 
4/16(金) 15:40福岡空港→16:40青島空港(現地時間、時差1時間)
 
4/17(土)  9:00ホテル発→10:30労山→12:00百盛商業大厦→16:00ジャスコ→17:30ホテル
 
4/18(日) 10:00ホテル発→10:30新華書店→12:00五・四公園→14:30中山公園→15:30魯迅公園→16:00天后宮→16:30ジャスコ→17:30ホテル
 
4/19(月)  8:30ホテル発→11:40青島空港→14:30福岡空港

The trip to China
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